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ロックの部屋

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YMO

YMO『BGM』~エレクトロニック・ポップ度★★~



だいぶ前だけど、会社で誰かの携帯の着メロがYMOの「テクノポリス」だったのには笑った。あまりに調子よく♪チャッチャッチャーチャララランラララーン♪と鳴るものだから。ピッタリはまりすぎでした。

YMOと言えばその「テクノポリス」が入っているアルバム『SOLID STATE SURVIVOR』が大ヒットして日本はおろかイギリスを初めヨーロッパでも受けました。1979年の事でした。

それから世界をツアーしまくり、ライブアルバムやミニアルバムなどを出していた彼らですが、1981年に待望のフルアルバムが発表されました。それが、この『BGM』でした。正直これを最初に聴いた時はガックリきました。今までのYMOサウンドの明るく軽快なテクノサウンドが影を潜め、何やら暗くて重くて実験工房のような音に聞こえたものです。期待していたものが『SOLID STATE SURVIVOR』の延長上のサウンドだったのだと思う。ショックが大きかったのか、それ以来YMOは聴かなくなってしまいました。

ところが、今聴いてみるとこの音が面白くて、色んなテクノの要素がびっしり詰まっていて聴き応えがあって凄いのです。

怪しげな「バレエ」は【ソフトセル】を思わせるし、「来たるべきもの」は90年代以降のアンビエントな音響空間でビックリです。「マス」は【ペット・ショップ・ボーイズ】風のメロディーでポップで美しい、アルバム中最大の聞き物でしょうか。宇宙空間に投げ出されたような感覚になる「ハッピーエンド」、もうどうにでもしてくれという感じです。

ユーモア感覚も抜群。「U・T」では細野先生のナレーション入り、これが面白い。

細野 《どうも司会の細野晴臣です。高橋さんU・Tという言葉をご存じですか?》
高橋幸《Y・Tなら知っていますが……》
細野 《坂本さんはU・Tというのはどういうイメージですか?》
坂本 《超宇宙的存在で……》(宇宙語ではっきり聴きとれず)
細野 《そうですか……、ところでこの曲の高橋さんのドラム凄いですね》
高橋幸《ええ凄いです》
細野 《では『BGM』のこの曲、お聴きになられますか?》
高橋幸《まさか!》

この曲はゾクゾクするようなインストゥルナンバーですが、人を食ったようなやり取りが面白いです。

20年も経ってこのアルバムの凄さ、YMOの才能に驚く今日この頃です。進んでいたんですね。

ちなみに携帯の着メロになりそうな、相応しい曲は一曲もありません。(笑)


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